2011年01月25日

『神の棘』

こいつはすげえ。
人はここまで強くなれるのだろうか?


“久しぶり”という言葉がこれ以上ない位ピッタリな“久しぶり”の更新ですw
前のエントリが2009年7月21日で、iLiadですからね、既に隔世の感が…w
諸事情により長らく更新してなかったのですが、
『神の棘』を読んで、「“久しぶり”にエントリを書こうかな」と思い立ちました。
このブログのタイトルでもありますが、「タマシイをクドウされた」ようです。

作者は須賀しのぶさんで、ライトノベルを中心に作品を発表している作家さんです。
僕は今まで名前も知らず、半ば強引に貸し付けられて読んだのですが、 その人に感謝です。
ありがとうございますw

物語の舞台はドイツ、時代は第二次大戦前から大戦後となっています。 主人公はSS隊員:アルベルト・ラーセン、とカトリックの修道士:マティアス・シェルノ。
二人は幼馴染み(と言っても、幼少時にちょっと接点があった程度)で、長らくお互いを思い出す事もなく、それぞれの道を歩んでいたのですが、ある事件をきっかけに二人の人生は深く絡み合っていく事になります。

この二人を通して、第一次世界大戦の敗戦後、ヒトラー率いるNSDAP−国家社会主義ドイツ労働者党−(ナチというは対抗勢力による通称というのも初めて知りました)が、どの様にしてドイツを支配し、そして世界を戦争に引きずり込み、負けたのか……というのを、NSDAP内部の抗争や、カトリック教会との関係も含めて描いてます。

この舞台設定から“ヒトラー”、“ナチス”、“SS”、“ゲシュタポ”などの単語は浮かんでくるものの、それは僕の中で有機的に結合してませんでした。
この歴史の流れ(小説なのでフィクションもありますが)を知る事が出来ただけで、読んだ甲斐があるというものです。
(物語の途中では興味はそこしかなかったのですがw)
もっともこの小説のテーマはそこではないのですが、そのテーマは物語の終盤まで明確に提示されません。
冒険小説→戦争小説→ミステリ→純文学 と、物語の様相はコロコロと変わっていき、戸惑いを覚えることもありました。
しかし、物語の最後で明かされる真実、そしてそれを背負ったアルベルトの生き方にはとても衝撃を受けました。

上の表紙画像の下に、僕の初読時のストレートな感想がありますが、再読して思いました。
「アルベルト、君は既に人ではないよ」と。
自己完結、これは凄い事です。
僕の中途半端な仏教の知識だと、“悟りを開いた”状態と近いのですが、他人を必要としない人生はとても哀しいと思います。
いみじくも作中でアルベルト自身がこう言っています。
−−「浄化されたものはたいていつまらない」−−

P.S.
物語とは全く関係ないのですが、ナチの思想がどこかの知事の同性愛者に対する発言と似ていて、背筋が寒くなりました。
posted by smoky_air at 12:13| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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